2026-08-20

風の強い日曜の朝、七歳のリリーは、おじいちゃんが作ってくれた手作りの凧を手に、草原に立っていました。凧の紙は古い地図で張り替えられ、尾には色とりどりのリボンが付いていました。
「風に向かって走るんじゃないよ。風と一緒に走るんだ」と、おじいちゃんはウインクしながら言いました。リリーは息をのみ、うなずきました。
リリーは走り出しました。凧は一度、二度と跳ねて、やがて風をつかまえて舞い上がりました。高く、もっと高く——リボンは虹のように風に踊り、青空に映えていました。
ところが突然、風が強く吹き荒れました。凧の糸がリリーの指からすべり落ち、凧は森の方へ流されていきました。リリーの目に涙があふれました。
でもおじいちゃんはしゃがみ込んで言いました。「泣かないで、小さなおひめさま。本当に自由に飛ばせるためには、手を離さなきゃいけないこともあるんだよ。」そして手を握りました。「さあ、凧を探しに行こう。」
二人は草むらを分け入って歩き、低い枝に掛かって無事な凧を見つけました。リリーは背伸びして凧を外し、ぎゅっと胸に抱きしめました。
草原に戻ると、リリーはまた走り出しました——今度は凧を離さないためではなく、凧と一緒に空を分かち合うために。凧はかつてないほど高く舞い上がり、リリーは笑い声を上げながら空に手を振りました。手放すことが、いちばん勇敢で、いちばん幸せなことだと学んだのです。
その夜、おじいちゃんは凧をリリーの窓辺に掛けました。「ほら」とおじいちゃんは言いました。「飛ぶために生まれたものもあるんだよ。」